3月14日といえば、日本ではホワイトデー。2月14日のバレンタインデーのちょうど1ヵ月後ですね。ご存知の通りバレンタインは欧米発祥ですが、ホワイトデーは日本独自の習慣なので、”White Day” と英語で言ってもネイティブには理解してもらえません

今回の記事では、英語で「ホワイトデー」を分かりやすく説明するにはどうしたらよいかについて解説していきます。まずは英語の会話例をシミュレーションした後、会話のなかで入れ込むとよいポイントについてまとめています。

ホワイトデーを英語で説明(会話例のシミュレーション)

まず、日本のホワイトデーを欧米人に説明する際に外せないポイントを簡潔にまとめると、以下のとおりになります。

✅ホワイトデーは日本だけの習慣。White Day exists only in Japan.

✅日本のバレンタインは「女性→男性」の一方通行。Women give chocolates to men on Valentine’s Day in Japan, but not vice versa.

✅日本のホワイトデーはバレンタインのお返しである。On White Day in Japan, men give return gifts to women who gave them chocolates on Valentine’s Day.

✅ホワイトデーの由来は日本のお菓子業界が考えたキャンペーン戦略。White Day was created as a campaign strategy developed by a confectionary company.

✅ホワイトデーは最初はマシュマロデーだった。White Day first started as Marshmallow Day, then renamed.

✅「ホワイト」なのは、砂糖またはマシュマロの白色からきている。The word “white” in White Day comes from the color white of sugar or marshmallow.

上記のポイントを会話の中でうまくまとめて説明できるといいですね。ここでは、例としてホワイトデーの説明をする会話をシミュレーションしてみました。

日本人)Do you know what day it is on March 14th in Japan?「3月14日って日本では何の日か知ってる?」

米人)I have no idea. I know it’s Pi Day in the States. You know, Pi is the ratio of the circumference of a circle to its diameter.「知らないね。アメリカではパイの日だけどね。パイって、円周率のことね。」

日本人)Pi Day? Do you even eat a pie?「パイの日?パイでも食べるの?」

米人)Actually, we do. I usually make an apple pie. What is celebrated on March 14th in Japan?「実はそうなんだよね。アップルパイを作ったりするかな。日本では3月14日に何を祝うの?」

日本人)It’s called White Day and it exists only in Japan. On this particular day, men are supposed to give return gifts to women who gave them chocolates on Valentine’s Day.「ホワイトデイっていうんだけど、日本だけの習慣なんだよね。この日に、バレンタインデーのチョコレートをくれた女性に男性がお返しのギフトをあげるんだよ。」

米人)Only men send gifts to women? That’s interesting.「男性だけが女性にギフトを送るの?それは興味深いね。」

日本人)That’s because women give chocolates to men on Valentine’s Day in Japan, and those men who got chocolates give presents back to the women on White Day to show gratitude.「なぜかというと、日本のバレンタインでは女性が男性にチョコレートをあげるからで、ホワイトデイにはチョコをもらった男性が感謝の気持ちをこめて女性にお返しのプレゼントをするんだよね。」

米人)Oh, I see. So, how did this White Day start in Japan?「なるほど。で、このホワイトデーって日本ではどうやって始まったの?」

日本人)Actually, it first started as Marshmallow Day in the 1970s. It was an idea of a traditional confectionary maker. 「実は、当初1970年代に始まったときはマシュマロデーだったんだよね。老舗のお菓子メーカーのアイデアだった。」

米人)Why marshmallows?「なぜマシュマロなの?」

日本人)Japanese marshmallows in those days had chocolates inside. Since chocolate is a symbol of love on Valentine’s Day, marshmallows are supposed to wrap around chocolates gently.「当時の日本のマシュマロの中にはチョコレートが入っていたんだよね。バレンタインでチョコレートは愛の印だから、マシュマロがチョコレートを優しく包み込むっていうことなんだよね。」

米人)Hmmm, just like s’mores.「ふーん、スモアみたいだね。」

<参考>「スモア(s’mores)とは?」:焼きマシュマロと板チョコレートをグラハムクラッカーで挟んだキャンプの定番デザート。

日本人)Then, another confectionary maker started to call it White Day and announced it should be a day for men to give candies back to women.「そのあと、別のお菓子メーカーがホワイトデーと呼ぶようになって、男性が女性にキャンディーをお返しする日ということになったんだ。」

米人)First, marshmallow, and now candies?「最初はマシュマロで今はキャンディーなんだ?」

日本人)Cookies and other gifts will do. Anyhow, it all started because those confectionary makers wanted to sell their products. That’s the punchline. 「クッキーとか別の贈り物でもいいんだけどね。とにかく、お菓子メーカーが商品を売りたいから始まったんだよね。それがオチってことね。」

米人)It’s all about making money, huh? Why do you call it “WHITE” Day?「結局、お金儲けっていうわけね?ところでなぜ ”ホワイト” デーなわけ?」

日本人)I believe it’s because the marshmallows are white, or maybe, the sugar in the candies and cookies are white.「マシュマロって白だし、キャンディーやクッキーに入っている砂糖も白だからだと思うよ。」

ホワイトデーの説明で外せない重要ポイント

ホワイトデーの由来についてここでもう一度確認しておきましょう。ホワイトデーの由来についても説明に加えることで、ネイティブの好奇心をくすぐることができます。

まず、ホワイトデーは日本発祥で日本独自の習慣であり欧米にはない、ということを最初に強調するとよいでしょう(注意:最近では韓国や中国などアジア諸国には広がっているようです)。そのうえで、ホワイトデーの由来を含め、ホワイトデーを説明する上で欠かせないポイントについて以下にまとめています。

*そもそも日本のバレンタインデーは、女性から男性にチョコレートをプレゼントする日である。一方、欧米諸国のバレンタインデーは「男性→女性」が基本。

*ホワイトデーの贈り物は、男性から女性への感謝の気持ちをこめた「お返し」の意味合いが強い。「いただいたものはお返しをする」というのは日本独特の儀礼でもある。

*「ホワイトデー」は元々「マシュマロデー」だった。マシュマロデーは、福岡市の老舗菓子屋「石村萬盛堂」が1977年に提唱した記念日。3月14日にバレンタインデーのお返しとして男性から女性へマシュマロをプレゼントする日とした。当時のマシュマロにはチョコレートが入っていて、女性からもらった「愛の印」であるチョコレートを「白いマシュマロで優しく包む」という意味合いがあった。

*その後1978年に製菓会社(全国飴菓子工業組合)が3月14日を「ホワイトデー=キャンディーをお返しする日」と決めた。同時にキャンディーやクッキーなどを販売する菓子店が続出。よって、日本でのホワイトデーは、お菓子業界の陰謀であるともいわれる。

*なぜ「ホワイト」なのかについては、マシュマロの白い色にちなんでいるという説と、キャンディーやクッキーの原料である砂糖の白色を起源とする説の2つがある。

ホワイトデーのオフィシャルホームページがあるのをご存知ですか?全国飴菓子工業組合が運営するサイトですが、ホワイトデーの歴史や誕生秘話などについて書かれています。

アメリカでは3月14日は「パイ(π)の日」

3月14日が日本ではホワイトデーであることを知っている外国人は、日本通でない限りほとんどいないでしょう。一方、海外(特にアメリカ)では3月14日は「パイの日」とされています。

なぜ「パイ」なのか、については想像に難しくないと思います。パイはギリシャ文字の「π」で円周率を表しているのはいうまでもありませんが、パイの日を3月14日としているのは円周率が「3.14」だからですね。

また、円周率のパイは英語では「pi」。同じ発音の食べるパイ「pie」にちなんで、3月14日はパイを焼くという習慣もあります。とはいえ、パイの日が欧米の一般家庭まで浸透しているかといえば、それほどでもありません。一部の数学愛好者の間で流行っているイベントという感じでしょうか。

参考までに、この「パイの日」についてはPI DAYというオフィシャルサイトがあります。

欧米では3月14日は「パイの日」であるという認識がある人も少なからずいるため、特に欧米人に日本のホワイトデーを説明する際は予備知識として知っておくとよいでしょう。

まとめ

1. ホワイトデーは日本で発祥した日本独自の習慣のため、「White Day」と英語で言ってもネイティブはまず理解できない。

2. ホワイトデーをネイティブに説明する場合は、以下の点を交えて説明すると効果的である。
・ホワイトデーは日本だけの習慣。
・日本のバレンタインは「女性→男性」の一方通行。
・日本のホワイトデーはバレンタインのお返しの儀式である。
・ホワイトデーの由来は日本のお菓子業界が考えたキャンペーン戦略。
・ホワイトデーは最初はマシュマロデーだった。
・「ホワイト」なのは、砂糖またはマシュマロの白色からくる。