英国のハリー王子Prince Harryとアメリカ人のメーガン・マークル Meghan Markle さんが5月19日(2018年)に結婚しましたね!メーガンさんは、米国カリフォルニア州ロサンゼルス生まれ。父親はオランダ・アイルランド系、母親はアフリカ系アメリカ人(つまりは黒人)。よって、白人と黒人の混血mixed-raceということになります。
今回のロイヤルウェディングは、白人同士の結婚ではなく異人種間結婚interracial marriageであるという意味でも話題になっています。ハリー王子とメーガンさんのような異人種間結婚は、今後一般人の間でも増えていくのでしょうか?このコラムでは国際結婚の今後のゆくえを統計から予想していきます。
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Contents
イギリスでは異人種間結婚は珍しくはない
アジア人の場合の異人種間結婚は、男性よりも女性の方が多い
一方、(日本人を含めた)アジア人の場合はどうでしょうか?
上のグラフのタイトル Among Blacks, Men Are More Likely Than Women to Intermarry; Opposite Is True Among Asians は、「黒人の場合、男性の方が女性よりも異人種間結婚をする傾向にある。アジア人の場合はその反対である。」という意味です。「アジア人の場合はその反対である」とは、「アジア人の場合、女性の方が男性よりも異人種間結婚をする傾向にある」ということです。
グラフを見ると、アジア人の異人種間結婚は男性16%に対して女性37%と男性の2倍以上です。黒人の場合の異人種間結婚は、男性25%に対して女性12%の半分以下なので、たしかにアジア人の場合は黒人の傾向とは真逆になっています。
今後、国際結婚や異人種間結婚はさらに増えていくと予想される
上記の統計が示すトレンド、そしてインターネットを通じて外国人や異人種との出会いが以前よりも容易になったことも併せると、国際結婚や異人種間結婚は今後もさらに増えていくことが予想できますね。特に、今回のハリー王子とメーガンさんのロイヤルウェディングが異人種間結婚のシンボルになっていることから、今後この傾向をさらに後押しするであろうと考えられます。
また、異人種間結婚に至る決め手については単にトレンドからというよりも、同じ人種間同士の結婚のように「性格」「価値観」といった肌の色や文化の違いではない内面的な要素が判断基準になっています。(参考にした英文記事はこちら)
アメリカでは “international marriage” より “interracial marriage” の方が使われる
最後に、日本語の「国際結婚」や「異人種間結婚」に当たる英語についてまとめてみました。今回のコラムで取り上げたグラフの英文タイトルや他の英文記事においても、いくつかの異なる用語が使われています。少しややこしいので、それぞれの違いを解説します。(参考にした英文記事はこちら)
・intercultural marriage = marriages between people who come from two different cultural backgrounds「2つの異なる文化背景を持つ人同士の結婚」➡「異文化間結婚」
・intermarry = to get married to someone from a different religion, race, or social group from you 「自分とは異なる宗教、人種、または社会集団の人と結婚すること」➡「異人種間(異文化間)結婚をする」
interracial marriage については、ここまで話してきた通り「異なる人種同士の結婚」つまり「異人種間結婚」です。一方、2つ目の intercultural marriage という言い方もあります。文字通り訳すと「異文化間結婚」、つまり異なる文化的背景を持った同士の結婚です。ただ、現実的には人種が異なれば文化も異なってくるため、異人種間結婚であれば自然に異文化間結婚になると考えて問題ないと考えます。よって、「interracial marriage > intercultural marraige」という関係が成り立つでしょう。
では、日本語で言うところの「国際結婚」は直訳英語では international marriage ですが、実際アメリカではあまり聞かれません。むしろ、interracial marriage という表現の方が一般的です。なぜかというと、日本の国際結婚は日本国籍を持った人と外国籍を持った人との間の結婚を指す一方、アメリカの場合は元々同じアメリカ国籍同士で「白人x混血」「白人x黒人」「白人xアジア系アメリカ人」などのような異なる人種間の結婚であるケースが多いからです。よって、アメリカでは interracial marriage という表現はよく聞かれる一方、国籍が異なる同士の結婚である international marriage という表現はあまり耳にしません。
日本でいうところの「国際結婚」を英語にする場合は、国籍が違う同士の結婚ですから international marriage で問題ありません。一方、異なる国籍同士の結婚でも、interracial marriage になるかどうかは結婚する相手の人種によって変わってきます。たとえば、日本人がその他のアジア人と結婚する場合は同じアジア人同士の結婚になるため、interracial marriage にはなりません(intercultural marriage になる可能性はあるかもしれませんが)。
最後の intermarry は「自分とは異なる宗教・人種・文化慣習を持つ人と結婚する」(動詞形)という意味であるため、国際結婚、異人種間(異文化間)結婚の双方で使える動詞です。
まとめ
1.混血女性(白人と黒人の混血 = mixed-race)が白人男性と結婚する割合は、特にイギリスでは半数以上を占めており、今後もこの傾向が続いていくものと見られている。また、ハリー王子とメーガンさんのロイヤルウェディングにように、異なる人種同士の結婚を「異人種間結婚 = interracial marriage」と呼ぶ。
2.アジア人の場合、女性の方が男性よりも異人種間結婚をする傾向にある。
3.昨今インターネットを介した異人種間の出会いが容易になっていることからも、今後も国際結婚や異人種間結婚は増えていくものと予想される。
4.アメリカでは、国籍が異なる者同士の結婚である「国際結婚 = international marriage」より、同じ米国籍同士だが互いに人種が異なる同士の結婚を指す「異人種間結婚 = interracial marriage」の方がよく聞かれる。