ここアメリカでは、昨日11月23日(木曜日)は感謝祭 Thanksgiving でした。

感謝祭が終わるとアメリカの家庭ではクリスマスの飾り付けが本格化していきます。今年もいよいよ終わりに近づいていくなぁという感じになってきますね。

今回はアメリカの感謝祭について、よくご存じない方のために簡単に説明していきたいと思います。

の印のある英単語・英文はクリックすると音声が聴けます!

アメリカの感謝祭といえば七面鳥 turkey を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか? でも、なぜ感謝祭の日に七面鳥の肉を食べるんでしょうね? また、何に対して「感謝」するんでしょうか?

感謝祭は、ネイティブアメリカンへの感謝の日

感謝祭について一言で説明すると、イギリスからアメリカに移住してきたピルグリムファーザーズ Pilgrim Fathers(アメリカに初めて渡ってきたイギリスの清教徒 Puritans)の初めての収穫 harvest を記念する祝日が感謝祭です。感謝祭は祝日となっており、アメリカでは毎年11月の第4木曜日になります。(カナダにも感謝祭の祝日がありますが、カナダは10月の第2月曜日になっています。)

ピルグリムたちを乗せたメイフラワー号はイギリスから約2ヵ月間の苦しい航海を経てアメリカに到着します。しかし、新天地での厳しい冬や食糧不足により、多くのピルグリムが命を落としてしまいました。

そんなピルグリムの危機を救ってくれたのがアメリカ先住民であるネイティブアメリカン native Americans なのです。彼らの知恵や協力があったからこそ、ピルグリムたちは何とか収穫を得ることができ、アメリカに定住することができたのです。

ピルグリムはネイティブアメリカンのために祝宴 feast を開き、彼らに感謝の祈りを捧げました。長テーブルの食卓には、七面鳥の肉や野菜が並び、いっしょに歌ったり踊ったりしたのです。

つまり、感謝祭はピルグリムを救ってくれたネイティブアメリカンに対しての感謝なんですね。

七面鳥が感謝祭の食事として定着したのは、鶏よりも大きいから!?

では、感謝祭の日にはなぜ七面鳥の肉を食べるのでしょうか? チキンでもいいのに?(実際、わたしのうちでは七面鳥を調理するのが面倒なので、感謝祭の夕食をチキンにしていた年もありました・・・笑)

それは「七面鳥は鶏よりも大きいから」なんです! え? たったそれだけの理由で? と思われるかもしれませんが、実用的な pragmatic 理由としてはそういうことらしいですね。

Moreover, there were pragmatic reasons for eating turkey rather than, say, chicken at a feast like Thanksgiving. The birds are large enough that they can feed a table full of hungry family members.

「また、たとえば感謝祭のような祝宴の場では、チキンよりも七面鳥を食べるべき実用的な理由がありました。七面鳥の大きさは、家族全員の空腹を満たすのに十分だからということなのです。」

(出典元:Why We Eat What We Eat On Thanksgiving「感謝祭の食事を食べるようになった理由」)

一方、もっともらしい理由として、当時の書物には、入植者 colonistsが野生の七面鳥をいかにして捕獲したか、についての記述があったことも関係しているからでしょう。

Turkey is a uniquely North American bird.

「七面鳥は北アメリカを象徴する鳥である」

アメリカ人の友人家族から感謝祭のディナーに招待

 

(感謝祭ディナーの会場となった教会にて、ディナーのメインテーブル。2018年11月23日撮影)

今年2018年の感謝祭は、以前から親しくさせていただいている友人家族から感謝祭のディナーに招待されていました。家族や兄弟、親戚一同が集まってくるので、自宅ではなく教会が会場でした。

食事をする前には、全員で目を閉じて感謝の祈り。その後、食事を皿に盛りテーブルで食事をしながら談笑。

 

(感謝祭ディナーの会場となった教会にて、自家製クッキーなどデザート。2018年11月23日撮影)

デザートには、上の写真のように子供たちが作った七面鳥の形をしたクッキーもありました。他には、パンプキンパイやキーライムのケーキなど食べきれないくらいのたくさんのデザートが並んでいました。

(我々家族がつくった自家製ティラミス。2018年11月23日撮影)

ちなみに我々家族は自家製ティラミス homemade tiramisu を持っていきました。「レシピをぜひ教えてほしい! Give me the recipe!」と言ってくる人もいて、なかなか評判がよかったです。また、日本語が話せる友人からは「うまかったよ!」と日本語で言われました。(笑)

これがアメリカ人家族の伝統的な感謝祭の過ごし方なのでしょう。アメリカの感謝祭は家族や親しい間柄だけで過ごす大事にひと時であり、そのような人とのつながりに改めて感謝をする神聖な日であるということですね。このような重要な祝日に我々日本人家族を招待し、同じ時を共有してくれた友人家族には本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

まとめ

1.アメリカの感謝祭には、イギリスからアメリカに移住してきたピルグリムが、先住民であるアメリカンインディアンに対して感謝の気持ちを捧げる日、という歴史的背景がある。

2.感謝祭に七面鳥を食べる実用的な理由は、七面鳥は鶏など他の鳥よりも大きく、家族みんなの空腹を満たしてくれる分量になるため。

3.現代の感謝祭では、家族や親せきや親しい友人が集まり、会食を共にし、お互いのつながりを感謝するという慣習が一般的である。